暮らす高野山

高野山で暮らす LIVING IN KOYASAN

高野山は1200年以上前に弘法大師・空海によって開かれた真言密教の聖地。古くから多くの人々の信仰を集めてきました。
近年では、世界遺産として世界中の注目を集め、海外からの観光客も増え続けています。
今も歴史と信仰を身近に感じることができる高野山。そこに魅力を感じ、観光だけではなく、高野山での暮らしを体験する人、あるいは、UターンやIターンで生活を始める人が増えています。

高野山で暮らすなかには、どんな魅力があるでしょうか?

高野山の悠久のときとともに暮らす

朝日が登る大門、夕暮れ時の壇上伽藍、夜の奥之院…… 。高野山の美しさを、日々の自然の営みや季節の移ろいとともに感じることができます。
休日や仕事の合間にゆっくりと時間をかけて聖地を巡ってみると、観光では気づけない新たな発見や出会いが待っているでしょう。
精進料理など地元の食材を使った料理やスイーツを味わい、食べ比べたりできるのも楽しみのひとつ。

さらに、お寺での朝勤行、護摩行、瞑想など、高野山ならではの様々な体験を通して、じっくりと自分をみつめ直すこともできます。
地元の人たちとの交流を通して学べることもたくさんあります。高野山の歴史や風土、信仰、文化をより深く知るよい機会になるのではないでしょうか。

高野町の中心は高野山というひとつの境内地まち。日常生活に必要なものは揃っていますが、お店の閉店時間が早い、コンビニの数が少ないなど、都市の生活に比べると多少不便を感じることもあるでしょう。けれどもその分、豊かな自然に親しみ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。短期間の観光では出会えない高野山の魅力に深く触れ、この地でしか得られない気づきを得ることができるでしょう。

高野山ではたらく WORKING IN KOYASAN

地元の声

高野山の宿坊で働く一般社団法人高野山宿坊協会

少子高齢化による働き手の不足は、特に地方では深刻化しており高野山においても例外ではありません。
高野町では人口も減少していく中で、宿泊施設となる「宿坊(寺院)」の働き手確保に苦慮しています。
高野山には大学もあり、以前は学生が多くアルバイトをお願いすることも容易でしたが、学生が少なくなった今ではアルバイト人材を探すことさえも難しい現状です。しかしながら、高野山を魅力的と思っていただいている方も多くいらっしゃいます。

高野山を訪れるお客様にはお寺(宿坊)に宿泊することは、ホテルや旅館と違った非日常の体験が出来るとして好評を得ています。その宿坊には地元の方だけではなく、地方から働きに来られた方々も大勢いらっしゃいます。お寺(宿坊)で働くのは堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。雇用条件はそれぞれの宿坊により多少異なりますが、一般的な従業員として働く事が出来ますので、関心のある方は是非ご応募お待ちしております。

聖地高野山で暮らす高野町観光振興課

高野山は歴史・文化・自然が融合した真言密教の聖地です。
この聖地高野山には年間約 140 万人が訪れていましたが、コロナウイルス感染症の影響を受け、高野町の主である観光産業は大きな影響を受け、従業員を減らさざるをえない状況となっていました。ようやく昨年度より観光客も増加傾向にあり、以前のような賑わいを取り戻しつつありますが、働き手が少ない状態のままで、各商店や宿坊等は人手不足に直面している状態です。このままでは、受け入れたくても受け入れることができない状態で、結果的に観光・参拝客の減少に繋がる恐れがあります。

高野町としましても、金剛峯寺様はじめ各事業所の皆さまと協働で「訪れたいまち」を目指し、「住んでみたい」人を応援する施策を実施及び検討しております。多くの観光客をお迎えする「おもてなし度」を向上させていくためにも高野町で働きたい人を広く募っています。高野町での移住・仕事・住まいを同時並行にして進めていきますので、ぜひ一度、弘法大師空海のお膝元で生活できる高野山にきていただきたく、どうかよろしくお願いします。

短期滞在 体験談

「地元の方との交流を通して、高野山の深い部分に触れられました」

伊藤 友生さん(38歳)

DMC高野山/短期滞在スタッフ(宿坊寺院や中央案内所に勤務)

2023年11月に3週間短期滞在

私は島根県出身で、現在は好奇心を満たしてくれるような地方各地を転々としながら生活しています。世界遺産・高野山も「実際に訪れてみたい!」と興味津々でDMC高野山さんの求人に応募しました。

一番の思い出は、地元の方との交流を通して、高野山の深い部分に触れられたことです。高野山という場所の成り立ちだとか、高野山の原生林についての物語だとかを伺いながら、ゆったりと過ごすことで観光では味わえない非日常を体感することができました。

3週間という期間はちょうど良い時間でした。仏教の世界観に触れることで、日本人の心の原風景というかルーツのようなものを再確認できた気がします。個人的には、若い人にこそ是非高野山を訪れて頂き、高野山で守られ受け継がれてきた「日本」を感じてもらえたらなと思います。

移住・定住 体験談

「家族3人で移住、古民家で田舎暮らしを満喫しています」

足立 義剛さん(44歳)

地域おこし協力隊(富貴地区/農産品の販路拡大などに従事)

2023年5月に奈良県王寺町から移住

以前は、奈良県王寺町在住で大阪市内で勤務していました。子供が化学物質過敏症になって通学が難しくなったことを機に知り合いからの情報等もあって高野町富貴地区に移住してきました。妻と子供3人の家族で移住したのですが、富貴地区の住民の皆さんが本当に温かかったことが決め手でした。地元の方に加え30~40代の移住者が多い地区。お互いの家を行き来して野菜を分け合ったり、一緒にシカを捌いたり、子供たちを地域の高齢の方々が面倒をみてくれたり、日常を楽しんでいます。

住まいは古民家を借りて改装して住んでいます。夜は星が綺麗で自然も豊か、水も綺麗で畑の野菜は本当に美味しく、田舎暮らしを満喫しています。

高野町富貴地区は、教育環境も充実していて子育て家族に本当におすすめです。時に都会とは違う不便はあるかもしれませんが、いろんなことを楽しめる方、おもしろがれる方、是非一度お越しください!

「歴史の魅力と未来への希望に溢れた町で、和紙の企画・販売にやりがいを感じています」

津田 睦子さん(63歳)

地域おこし協力隊(西細川地区/和紙の商品企画・販路拡大などに従事)

2021年11月に豊中市から移住

元々大阪府内でグラフィックデザインの仕事や和雑貨店を経営していました。九度山町で紙づくり体験をしたことがあり、その際に高野町にも和紙の伝統があることを教わり、その後、地域おこし協力隊としてのご縁を頂きました。

現在は弘法大師・空海が、当時としては革新的であった『紙漉き』を推し進めたとされる高野紙 十郷の一つ、細川地区で紙製品の制作、企画、販売促進に携わっています。
住まいは地区内の空き家を借りています。日用品や食材は橋本市の方に車で買い出しに出かけるので、何不自由なく暮らしています。

あえて不便を言うなら、夜が暗いことでしょうか。鹿に大切な紙の原材料作物が食べられてしまう事にも頭を悩ませています。高野山には神代から始まる信仰の深さを感じます。受け継がれてきた伝統を重んじながらも、「何でもやってみよう」と軽やかに前を向いていける人、それをやりがいに感じられるチャレンジャーにとって、歴史の魅力と未来への希望に溢れた町だと思います!